自分と自由を求めた旅の日記
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プロフィール
HN:
tantas7
年齢:
46
HP:
性別:
男性
誕生日:
1978/11/07
職業:
国営公園スタッフ
趣味:
旅、カメラ、バイク、クライミング
自己紹介:
20台最後の年に
今まで背負ってきた 色んな役割を脱ぎ捨てて 自分と自由を求めてゼロから 歩きだすことにしました。 心のままに、自分にウソをつかず 目の前にあるものをまっすぐに 見つめながら生きていこうと 思っています。
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久しぶりに小説を読んだ。
江國香織さんの作品で彼女の本を読むのは 『冷静と情熱のあいだ』以来だ。 この作品には明確な主人公は登場しない。 登場人物は10人近くいて、 それぞれの視点でめまぐるしく話が進んでいく。 だから一つの夫婦の間で行われていることも 夫と妻の視点で描かれることでまったく違う風景に 映ることもある。 第三者から見ればとても幸せそうに見える人たちでも それぞれが何らかの不満を抱えていて、 それでいてそこにある安心や安定の中に幸せを見出している。 読んでいてすべてにおいて誰かに共感することは無く、 でも一部においては誰もに共感できる場面があった。 タイトルにどういう意味があるのかはわからないけど、 どれがいいとかどれがだめとかという問題ではなく、 それぞれにそれぞれの見方や価値観があるということなんだと思う。 様々な人の事情や感情が交錯し、 何かを捨てて何かを選びながら生きている。 その中で《正論》と《本能》の間で揺れる。 頭では間違っているとわかっていても止められないことがある。 でもそれは厳密に言えば世間的に間違っているだけで 自分がそう思った以上自分の中では決して間違ったことではない。 「問題は、そんなことを思う自分だった」 物語の最後に出てくる山岸の台詞。 結局みんな自分の目で頭で心で世の中を見ている。 自分が何か思うことの原因は自分にある。 すべてをきれいに整理して生きていくことなんてきっとできない。 複雑で矛盾してこんがらがった自分を抱えながら それでもみんな幸せに生きることを願ってる。 ---- 本を読むにはバイオリズムみたいなものがある。 開いてすぐやめてしまうこともあれば 今回みたいに2,3日で読みきってしまうこともある。 主人公も無くゴールも無い。 ただ人々の日常と感情をつづったリアルな物語。 そういう等身大な感じが今の僕にはとても心地よかったのかも知れない。 PR 2009/02/16(Mon) 15:19:17
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